2003年7月1日

BRO(放送と人権等権利に関する委員会機構)様

 

 

抗 議 文

 

2003年6月30日放映

日本テレビ系列 スーパーテレビ(性同一性障害・男ときどき女)の放映に於いて下記の通り不適切な表現があり、それにより性同一性障害MtFであり生活空間:職場において理解を得る事が出来女性として生活している私自信の生活の根底を揺るがす物であり信用を失墜するような内容であり当事者の人権を無視した放送であったことについて謝罪文を新聞各社に掲載するとともに系列放送局に於いて謝罪テロップを流すことを要求いたします。

 

 

1.主題に《性同一性障害》サブタイトルに《男ときどき女》

まずここからです

性同一性障害(以下GIDと言う)であっても、環境上パートタイムでしか女(男)に成れない人も沢山おられます。しかし、心の性で安定しているはずであり日本神経学会監修:性同一性障害に関する診断と治療のガイドライン(以下ガイドラインと言う)の条件になっています

で有れば心は男ときどき女と言ったことはあり得ないと思います

今回の放送のメインの人のように職場では男性、週末は女性といった心の切り替えを行うのであればGIDと診断されることはないはずである

 

2.メインの人ですが両性役割服装倒錯症(以下TVという)の人がメインとして登場していることである

ガイドラインで行くとTVはGIDには属さないとなっているのに性同一性障害のタイトルで出ていることまた、きっちりとした診断書は出ていないのにGIDと位置づけるのはおかしいのではないか

性同一性障害当事者(以下当事者と言う)においてはガイドラインに基づいて長期の期間にわたり治療を行いやっとの思いをして診断書をもらっている事実がある中診断書をももらっていない人をメイン対象にして放映しているのにタイトルにGIDを付けられるのは誤解を招く行為である

 

3.心は男性で人生のネタでタマ抜きをし秋に性別最適号手術(以下SRSという)まですると言った人が堂々と出ていること

これについては日本テレビ山本さんがGIDの診断書を持っているとのことでしたがガイドラインに適していない診断書でありただの紙切れ同然の代物と思われる

なぜならば上記1.にも出てきたように心の性の安定不変が絶対条件であるのにそれを全く無視したことを行っている

また去勢手術を自ら行い斡旋して受けさせている場面が放映されていたがこれはガイドラインによる所の第3段階の処置でありこれに該当するまでには2度の倫理委員会なり判定委員会での審議が必要であるにもかかわらず安易に行われている状況を写している。

これはあくまで違法行為であるにも係わらずそれを注意公表もせずに安直に行えると言った放送をしている

 

4.本来GID当事者として家族と共に本当に共存し頑張っておられる橋本佳美さんが一瞬しか出ていないので、こういった風に社会に認知してもらうためにこの間人並みならぬ努力をしている本当のGIDの草の根的な人物の紹介が一瞬で終わっている

ましてやその中での子供の話で母親として認知していること

これはどれだけすごいことなのか

GIDをタイトルに使うのならば、こういった人たちのことをもっと大々的に放送し社会に対しての適切な情報認知を促すような協力要請をお願いしたい

 

5.この番組を見ていた中2の娘が「GIDじゃないと」怒り出しこれらの事を日本テレビに抗議の電話を入れると担当の山本氏が対応し、日本のガイドラインに合っていない人(TV)をGIDとして出さないで欲しいと言うとWHOでは認定されているの一点張りだ。いったいここはどこなのか?

また、しゃれでやってる人もGIDの診断書を持っているとのことでしたが、それが本当なら学会に属さない医師の勝手な判断での診断書と思われるとともにガイドラインに適合していない事を伝えても聞く耳を持たないばかりか、後で電話すると言われても掛かってこないばかりか系列読売尾テレビからすぐ人を行かすといっても結局こない状況である。

 

6.現在、単身であれ家族とともであれ社会に認知してもらうために草の根で頑張っている当事者の生活に対して社会に誤認を与え当事者の人権をないがしろにして、実生活をも脅かす事を訴えたが、人権問題には当たらないの一点張りであると、聞く耳を持たない

 

7.GIDを主題としての番組を作るのであればMtF(男性から女性)だけではなくFtM(女性から男性)も同様に同時に取り上げるべきではないか

 

8.これらのことを知人である大阪の人権に関する第一人者である近畿大学人権担当助教授と相談した結果BROに訴えるべきだとのことでしたので抗議文を送らせていただくこととしした

後 記

 

私自身家族にカミングアウトをし、親戚にもカミングアウトをし、幼少の頃から掛かっていた精神科の門をたたきました。

そこで近畿大学付属病院(神経科江川Dr)を紹介され長期間通院の上、性同一性障害MFの診断書をいただきました。この時点でタイでのSRSを受けるべく紹介状をいただけたのですが、公務員といった立場の関係上日本国内に於いて完全正規ルートで治療を進むことと決め、倫理委員会・ジェンダークリニックの発足に向けて取り組んでおられた大阪医科大学へ今後通院する事とし、近畿大学から紹介状・診療情報提供書をいただいて大阪医科大付属病院(精神科康Dr)へ通うようになりました

現在治療としては大阪医科大付属病院での倫理委員会が行われておりガイドラインの第3段階の治療を行うかどうかの審議が行われています。(3回目6月26日予定)

この回の倫理委員会でほぼ決定して判定委員会を設立しSRSに至るまでの治療がスタートする予定となっています

それに対して私自身は、職場に於いては全職員対象で正しい知識を人権研修として受講していただき女性職員扱いで(戸籍上の表記:対応がどうしても必要な物を覗く)勤務しています

また、隣近所では兼業主婦として接していただいており買い物や子供の事など様々な助け合いをしていただいています。

そのような中こういった虚偽に近い興味本位の報道をされると私自身の人格が疑われこの間気づいてきた信頼関係も地に落ちるとともにこの間子供の学校でもやっと皆さんが理解を示してくれているのに、この番組を見た子供達からウチの子供達が不当な差別を受けることが危惧されます

 

 

ここに後記として私自身・家族のことを記載しましたがこういった状況を日々日々の努力で積み上げて生活されている当事者も同じような扱いが予想されます

こういった家族は決して少なくありませんので冒頭で申し上げたとおり新聞各社への謝罪文の掲載と系列各社での謝罪テロップをお願いいたします

 

 

最後に人権に係わることですので私個人の実名等を記載しますが対処の程をお願いいたしますとともに、インタビューを受けるのであれば家族全員全てを証しモザイクや音声の変更を行わずインタビューを受けると家族会議で決定しておりますのでいつでも連絡をお待ちしています

 

大阪市住之江区●●−●−●●●

大熊 ひかり

06−6●●●−●●●●



before